2014年09月01日

りんごの話

最も身近な果物と言えば、バナナ、みかん、りんごです。

今日はその中からりんごの話です。

りんごの原産地
数年前、初めて中央アジアのカザフスタン最大の都市アルマティの空港に降り立ちました。
3月初旬でもかなり寒い。
外を見上げると、冠雪に覆われた天山山脈の偉容に驚嘆する。
カザフスタンとキルギスタン国境には、天山山脈第2の高さを誇るハン・テングリ山(7010メートル)がそびえ立つ。ほぼ富士山の倍の高さです。
20140901mountain.jpg


この中央アジアの高地こそりんごの原産地といわれています。
4000年前頃からこの辺りで野生のりんごが古代人の胃袋を満たしていましたが、6世紀頃に中国に伝わり、10世紀頃日本にもたらされました。
アルマティは、カザフ語でアルマ(りんご)のタイ(父)の意味です。
昔はアルマティの山麓にはりんご林が連なり美味しい大きなりんごを実らせたという。
りんごは林檎と書きますが、その意味は林の檎(ことり)で、林の甘い果実に小鳥が集まってきたことから名付けられました。
現在の大都市のアルマティの林には豪勢な高級住宅が立ち並び、残念ながらりんご林の面影はありません。



りんごの効用とがん予防
“An apple a day keeps the doctor away.”(一日一個のりんごで医者知らず。)
この諺にある通り、欧米でもりんごの効用は良く知られていたようです。
我が国でもりんごは健康果物の王者で、昔から入院見舞いの定番です。
中玉りんご1個(250g)は約135kcalの総エネルギーです。
ビタミンCなどのビタミン類の他に、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅などの必須ミネラルなどがたくさん含まれています。
特に、カリウムは塩分摂り過ぎの日本人にとって塩分の体外排出を助けてくれる働き者です。

1980年代の米国のデザイナー・プロジェクトでポリフェノール研究が進みましたが、りんごにはがん予防に効果があることがわかってきました。
つまり、@りんごのポリフェノールに含まれる抗酸化作用のあるプロシアニジンはがん細胞を自死させる驚くべき機能があります。
更に、Aりんごペクチンに含まれる食物繊維が下痢や便秘の解消効果があり、大腸がん予防に繋がります。特に、焼きりんごはペクチンの効果を数倍に高めるとの報告もあります。つまり、アップルパイは大腸がんの予防になるわけです。
ところで、iPhoneのアップル社のロゴは“かじり掛けのりんご”です。日本人は皮を剝いて食べますが、欧米人はりんごの生かじりが普通です。先程説明したような栄養素がりんごの皮下に多く存在するため、表面をきれいに洗って皮ごと食べる方が賢明です。


日本最長寿の長野県とりんご
日本の男女の平均寿命は男女とも長野県が全国1位です。
長年の減塩運動や野菜の高摂取に加えて、私見ですが、りんご生産量と1人当たり消費量で青森県に次ぐ日本第2位が長寿の理由かもしれません。

カリフォルニア大学のブラックバーン教授は、寿命の鍵を握るといわれるテロメアとテロメラーゼ酵素の研究で2009年ノーベル医学・生理学賞を受賞されました。
ある日本人の長寿研究者によって長寿村で有名な長野県高山村でテロメアの疫学調査が行われました。
その結果、ランダムに抽出された24人中22人は全国平均よりテロメアが長いことが判明しましたが、その中でテロメアが最も長かったのはりんご園で働いている64歳の女性でした。

An apple a day keeps cancers away.(一日一個のりんごでがん知らず。)
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posted by 筒井豊春 at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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