2014年09月16日

体温と健康

最近、遺伝子検査を始め様々な検査が郵便で簡単に出来るようになってきました。
その背景に本格的な高齢化社会を迎え、健康寿命や未病といった予防医学を積極推進する運動の広がりがあります。

私は健康検査を毎日、毎週、毎月、毎年と分けて管理しています。
毎日:体重測定、血圧測定、体温測定
毎週:週末、空腹時値と食後2時間の血糖値測定
毎月:弊社予防医学研究所の爪有害金属検査、毎月の血液検査と主治医の総合診察
毎年:人間ドック、大腸内視鏡検査、眼底検査、歯科検診、睡眠時無呼吸症候群検査など

特に毎日の体温測定は簡単ですので、くつろぎながら朝晩数回行います。
今まで、体温計といえば、風邪を引いた時や熱っぽい時しか使わなかったものですが、昨年2週間程入院した時に担当の看護師さんが朝昼晩に部屋に定期検査に来ました。
その度に必ず脈拍と体温測定をして頂きました。すると、朝昼晩で微妙に体温が変化します。
その頃から遅まきながら体温に興味を持ち始めた次第です。

20140916体温計.jpg

人間の理想体温は36.5度だそうです。
ところが、最近はそれ以下の35度台の低体温の人が急増しているそうです。
体温が1度下がると、エネルギー代謝は12%低下、免疫機能を持つ白血球の機能は30%も下がると言われています。
運動不足、欧米型食事、冷暖房の効いた部屋での仕事や生活など生活習慣の変化が背景にありそうです。

実は、低体温は放置していると深刻な病気の原因になりかねないのです。
36.5〜37.0度: 最も健康的で免疫力が高い状態
35.5度: 排出機能低下、自律神経失調症、アレルギー症状
35.0度: ガン細胞が最も増殖する体温
34.0度: 溺れて遭難したときに回復できるかのどうかのボーダーライン
33.0度: 冬山の遭難で幻覚症状
30.0度: 意識喪失
27.0度: 死体温度


結論は、がんを始め種々な生活習慣病の予防のためには適正体温の維持が極めて重要だということです。
体温を1度上げると免疫力が数倍向上するともいわれています。
逆に、冷え性や低体温の方は、免疫力が下がり風邪をはじめ病気になりやすい虚弱体質になります。



特に、がん細胞は熱に弱く、体温が39度以上で死滅するという研究も出されています。
がん治療に温熱療法が取り入れられている理由です。
逆に、日本でがん患者数が増加している背景に日本人の低体温化を指摘する医学者もいます。
今後の疫学的調査の進展に期待したいと思います。
昔から「風邪は万病の元」と言われてきましたが、「低体温は万病の元」と言い換える方が正しいかもしれません。

ところで、日本人ほどお風呂好きな国民はいません。
ほとんどの家庭にお風呂が常備されています。
更に日本全国で3000箇所以上の温泉保養地があります。文字通り世界一の温泉大国です。
温泉旅館数も25000軒あり、年間のべ宿泊者数はほぼ日本人の総人口に匹敵する1億2500万人です。
ですから、奈良時代からの伝統のある温泉湯治は体温を高める意味で理にかなった免疫療法であったわけです。

日本人が世界一の平均寿命を維持できている背景に健康浴があるのかもしれません。
身体を温める食事と適正な運動を組み合わせて36.5度の体温維持を心がけ、病気に強い抵抗力を涵養すべきだと思います。
風邪を引くことを英語でcatch a cold(寒さを捕まえる)と表現します。
体を冷やさないことが健康管理の要諦であるのは世界共通です。
posted by 筒井豊春 at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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