2014年09月25日

蕎麦と食の安全

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蕎麦はカロリーも高めで値段も高いのですが、私はどちらかというと、蕎麦派でした。
しかし、最近うどんを頼む時もしばしばあります。
それは、大半の蕎麦が中国産と聞いてからです。

仕事の関係で中国人と長野に行った時、驚いたことに長野の蕎麦屋ですら多くのお店では中国産の蕎麦を使用していると知りました。
確かに、国産の蕎麦の生産量は全消費量の約2割程度しかありません。
その内、北海道産が過半を占め「信州信濃の蕎麦」の生産量はわずか日本の全体の消費量の2.5%に過ぎません。
以前、友人に紹介されて麹町の蕎麦屋で生粋の信州産の蕎麦屋へ行きました。当然、最高の味でしたが、昼食でも通常の倍以上の値段でした。

従って、通常の蕎麦屋はまず中国産を使用していると言ってよいと思います。
蕎麦の全輸入の内で約8割が中国からの輸入で、残り10%余りが米国産です。
つまり、日本の全消費量の64%、3分の2が中国産です。
しかし、中国産の蕎麦からは殺虫剤として使われる猛毒で発がん性のある有機リン系メタミドホスが基準値以上で検疫所からしばしば摘発を受けています。
最近のマクドナルドのニュースは大変な話題になりましたが、蕎麦に関してはマスメディアでもあまり大きな話題にならないのは不思議です。

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そば畑


一方、カロリー計算ベースで日本の食糧自給率は40%を切っています。
日本は大半の食糧を輸入に依存しているのです。

特に、金額ベースで、中国からの輸入は、加工食品の12.8%、魚介類の18.4%、野菜の51.4%だそうです(出典:財務省『貿易統計2011年』)。
つまり、日本人の食料や食品の約15%が中国産ということになります。

しかし、この中国産食材は、どこで消費されているのでしょうか?
スーパーやコンビニで売られている弁当やファミレスの食材は、産地を明示することは義務付けされていません。
日本人は毎日、中国からの輸入食材を知らず知らずに口にしているのです。

実は、日本には108の検疫施設があり、水際で食品の安全管理に細心の検査が行われています。
しかし、食品衛生監視官は日本全国でわずか399人と絶対的に不足しています。
実際、輸入食品のモニタリング検査は全輸入の2.8%しか行われていないのです。
ほぼフリーパスです。
今後、農家の平均年齢が66歳の我が国では、TPPの動向にもよりますが、ますます食料の海外依存度は高まることが予想されます。

日本人の食の安全は誰が守ってくれるのでしょうか?

日本産のコメであろうと野菜であろうと農薬や化学肥料なしには生産できないのが現実です。
家畜の飼料として輸入される米国産飼料は大半が遺伝子組換のトウモロコシを含む飼料です。
有機栽培をするにも、労働力が絶対的に不足していて、コストを無視してまで消費者が購入することはありえません。

結論から言うと、我々は、もはや絶対に安心な食べ物は存在しないと自覚して行動すべきなのです。
つまり、自分たちの健康は自らの知恵で守ることです。
特に、体力のある大人のことよりも、将来の日本を担う小児や子供達の健康が気になります。
今でも精神疾患など問題を抱えて生まれてくる子供が1%、年間1万人以上と言われます。
我々は妊婦の健康にもっと気を使うべきだと思います。

そのためには、体内に取り入れられる有害物質とその蓄積を測定し、体外にデトックスする手法をしっかりと確立するしかありません。
弊社は、毛髪や爪で有害金属検査を普及させ、デトックスのノウハウを確立して総合的な予防医学企業を目指しています。

毛髪ミネラル検査
爪有害金属検査


posted by 筒井豊春 at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月19日

長寿遺伝子

2003年にマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授が酵母の長寿遺伝子Sir2(サーツ)を発見した。
ヒトにはSir1-7の7種類の遺伝子が確認されています。

年より若々しく見える人と老けて見える人の差がこの長寿遺伝子です。
つまり、老化のスピードを制御する遺伝子ということになります。
嬉しいことにこの遺伝子は、個々人の努力や工夫でその機能を制御できます。
つまり、生活習慣や食生活によってこの遺伝子の活性化が可能です。

長寿遺伝子はヒトでは10番目の染色体に存在しています。
その遺伝子は普段は眠っているので活性化するにはスイッチを入る必要があります。
要はスイッチを入れると長生きできるという優れものなのです。

その方法は、1)適度な運動、2)カロリー制限、3)抗酸化物質レスベラトロール。

カロリーの取り過ぎのメタボリック症候群の人は長寿遺伝子はスイッチが入っていないそうです。
大切なことは、炭水化物、脂質、タンパク質を押さえ、ビタミンやミネラルやファイトケミカル(植物性物質)をしっかり摂取することです。
確かに長生きの人に太った人はあまり見かけません。

最後のレスベラトロールですが、ポリフェノールの一種です。
ぶどうの果皮やピーナッツの薄皮、赤ワインに多く含まれます。
フランス料理は高脂肪や高カロリー食です。
しかし、周囲の国の人々に比べて心疾患の比率が低いそうです。
このことを「フレンチ・パラドックス」と呼ばれています。
その背景にフランス人のワイン消費量が指摘されています。

インドネシアで栽培される「メリンジョ」の種子に多くのレスベラトロールが含まれています。
「メリンジョ」は「ウンビン」という食品に加工されジャカルタ地区で多食されています。
この地区の平均寿命はインドネシア平気寿命より4ー5歳も長生きと言われています。

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“メリンジョ”

長生きしたい人は、適度の運動、腹八分の食事、レスベラトロールをしっかり摂取しましょう。
posted by 筒井豊春 at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月16日

体温と健康

最近、遺伝子検査を始め様々な検査が郵便で簡単に出来るようになってきました。
その背景に本格的な高齢化社会を迎え、健康寿命や未病といった予防医学を積極推進する運動の広がりがあります。

私は健康検査を毎日、毎週、毎月、毎年と分けて管理しています。
毎日:体重測定、血圧測定、体温測定
毎週:週末、空腹時値と食後2時間の血糖値測定
毎月:弊社予防医学研究所の爪有害金属検査、毎月の血液検査と主治医の総合診察
毎年:人間ドック、大腸内視鏡検査、眼底検査、歯科検診、睡眠時無呼吸症候群検査など

特に毎日の体温測定は簡単ですので、くつろぎながら朝晩数回行います。
今まで、体温計といえば、風邪を引いた時や熱っぽい時しか使わなかったものですが、昨年2週間程入院した時に担当の看護師さんが朝昼晩に部屋に定期検査に来ました。
その度に必ず脈拍と体温測定をして頂きました。すると、朝昼晩で微妙に体温が変化します。
その頃から遅まきながら体温に興味を持ち始めた次第です。

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人間の理想体温は36.5度だそうです。
ところが、最近はそれ以下の35度台の低体温の人が急増しているそうです。
体温が1度下がると、エネルギー代謝は12%低下、免疫機能を持つ白血球の機能は30%も下がると言われています。
運動不足、欧米型食事、冷暖房の効いた部屋での仕事や生活など生活習慣の変化が背景にありそうです。

実は、低体温は放置していると深刻な病気の原因になりかねないのです。
36.5〜37.0度: 最も健康的で免疫力が高い状態
35.5度: 排出機能低下、自律神経失調症、アレルギー症状
35.0度: ガン細胞が最も増殖する体温
34.0度: 溺れて遭難したときに回復できるかのどうかのボーダーライン
33.0度: 冬山の遭難で幻覚症状
30.0度: 意識喪失
27.0度: 死体温度


結論は、がんを始め種々な生活習慣病の予防のためには適正体温の維持が極めて重要だということです。
体温を1度上げると免疫力が数倍向上するともいわれています。
逆に、冷え性や低体温の方は、免疫力が下がり風邪をはじめ病気になりやすい虚弱体質になります。



特に、がん細胞は熱に弱く、体温が39度以上で死滅するという研究も出されています。
がん治療に温熱療法が取り入れられている理由です。
逆に、日本でがん患者数が増加している背景に日本人の低体温化を指摘する医学者もいます。
今後の疫学的調査の進展に期待したいと思います。
昔から「風邪は万病の元」と言われてきましたが、「低体温は万病の元」と言い換える方が正しいかもしれません。

ところで、日本人ほどお風呂好きな国民はいません。
ほとんどの家庭にお風呂が常備されています。
更に日本全国で3000箇所以上の温泉保養地があります。文字通り世界一の温泉大国です。
温泉旅館数も25000軒あり、年間のべ宿泊者数はほぼ日本人の総人口に匹敵する1億2500万人です。
ですから、奈良時代からの伝統のある温泉湯治は体温を高める意味で理にかなった免疫療法であったわけです。

日本人が世界一の平均寿命を維持できている背景に健康浴があるのかもしれません。
身体を温める食事と適正な運動を組み合わせて36.5度の体温維持を心がけ、病気に強い抵抗力を涵養すべきだと思います。
風邪を引くことを英語でcatch a cold(寒さを捕まえる)と表現します。
体を冷やさないことが健康管理の要諦であるのは世界共通です。
posted by 筒井豊春 at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月10日

相撲取りの健康

昨年10月から12月にかけて、日越国交樹立40周年記念行事の一環としてベトナム主要都市、ハノイ、ホーチミン、ダナンで映画「渾身」の記念レセプションと上映会を開催しました。
その結果、総計9回の上映で約6000名のベトナム人の皆様に鑑賞して頂くことができました。

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この映画は、風光明媚な隠岐の島が舞台です。
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物語は20年に一度の伝統の歴史相撲を中心に展開します。
その中に郷土愛や家族愛が織り込まれた人情味溢れる素晴らしい映画です。
字幕でしたがベトナム人観客は笑ったり泣いたりと喜怒哀楽を表現されていましたので、映画の感動はお伝えできたものと安堵いたしました。


相撲はそもそも出雲大社で始まったそうです。
明治神宮での新横綱の土俵入りを思い出しました。
神様に捧げる神聖な儀式なのです。
私の郷里には宇佐八幡大社がありますが、昔から相撲が盛んな理由が初めて理解できました。
実は宇佐は、69連勝の大横綱双葉山の出身地です。


ハノイでの初回上映に際して、錦織監督、青柳翔主演俳優などにもご参加頂きました。
主役の青柳翔君は清々しい好青年ですが、ベトナム女性にも大変な人気でした。
彼は、EXILE劇団の有望な俳優であることを後で知り納得した次第です。
当然青柳翔君を始め歴史相撲に参加する役者さんは大半が太っていないのです。むしろ筋肉質で頑強なタイプがほとんどです。

主題の相撲取りの健康に入りますが、この数ヶ月だけでも、龍虎関(73)、放駒親方(66元大関魁傑、元相撲協会理事長)、時津風親方(64)の訃報が伝えられています。そこで、相撲取りの寿命を少し調べてみました。


横綱経験者(享年)
隆の里(59)琴桜(67)玉の海(27)大鵬(73)柏戸(58)朝潮(58)初代若乃花(82) 栃錦(43)吉葉山(57)鏡里(80) 双葉山(56)

大関経験者
魁傑(66) 北天佑(45)初代貴ノ花(55)大麒麟(68)栃光(43)北葉山(75)若羽黒(34)琴ヶ浜(53) 松登(61) 大内山(59)三根山(67)敬称略

横綱経験者で60代前半、大関経験者では50代半ばの平均寿命ということになります。かなり昔の方もおられますので一概に比較はできませんが、現在の日本人の男性平均寿命から考えると20歳程短命であることになります。


最大の理由は、入門時の平均80kgの新弟子が数年で倍以上の体重になっていくわけですから、間違いなく太り過ぎです。
カロリー過多の食事を長年とった結果、コレステロール値400、尿酸値10、BMI50などとんでもない数値が当たり前です。
こんな数値では病気や早死にが当然の過酷な職業です。前途有為な若者を集めようにも説得できないでしょう。

門外漢の私が申し上げることではないかも知れません。しかし、相撲は国技です。角界の今後の発展のためにも相撲取りの健康管理、特に体重と食事の管理が絶対必要です。
相撲協会はこの問題に真剣に取り組む時期に来ていると思います。

相撲は、柔道やレスリングの判定と違い、白黒の勝負がわかりやすいということで最近欧米でも人気が急上昇中だそうです。
白鵬関にはモンゴル行の機中でお会いしたことがありますが、人格といい素晴らしい横綱です。
その後、白鵬関をテレビで見かけましたが、大半が筋肉で体脂肪値が極めて低いと言っていました。横綱が健康の面でも相撲取りの見本となられることを祈っています。

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posted by 筒井豊春 at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月01日

りんごの話

最も身近な果物と言えば、バナナ、みかん、りんごです。

今日はその中からりんごの話です。

りんごの原産地
数年前、初めて中央アジアのカザフスタン最大の都市アルマティの空港に降り立ちました。
3月初旬でもかなり寒い。
外を見上げると、冠雪に覆われた天山山脈の偉容に驚嘆する。
カザフスタンとキルギスタン国境には、天山山脈第2の高さを誇るハン・テングリ山(7010メートル)がそびえ立つ。ほぼ富士山の倍の高さです。
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この中央アジアの高地こそりんごの原産地といわれています。
4000年前頃からこの辺りで野生のりんごが古代人の胃袋を満たしていましたが、6世紀頃に中国に伝わり、10世紀頃日本にもたらされました。
アルマティは、カザフ語でアルマ(りんご)のタイ(父)の意味です。
昔はアルマティの山麓にはりんご林が連なり美味しい大きなりんごを実らせたという。
りんごは林檎と書きますが、その意味は林の檎(ことり)で、林の甘い果実に小鳥が集まってきたことから名付けられました。
現在の大都市のアルマティの林には豪勢な高級住宅が立ち並び、残念ながらりんご林の面影はありません。



りんごの効用とがん予防
“An apple a day keeps the doctor away.”(一日一個のりんごで医者知らず。)
この諺にある通り、欧米でもりんごの効用は良く知られていたようです。
我が国でもりんごは健康果物の王者で、昔から入院見舞いの定番です。
中玉りんご1個(250g)は約135kcalの総エネルギーです。
ビタミンCなどのビタミン類の他に、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅などの必須ミネラルなどがたくさん含まれています。
特に、カリウムは塩分摂り過ぎの日本人にとって塩分の体外排出を助けてくれる働き者です。

1980年代の米国のデザイナー・プロジェクトでポリフェノール研究が進みましたが、りんごにはがん予防に効果があることがわかってきました。
つまり、@りんごのポリフェノールに含まれる抗酸化作用のあるプロシアニジンはがん細胞を自死させる驚くべき機能があります。
更に、Aりんごペクチンに含まれる食物繊維が下痢や便秘の解消効果があり、大腸がん予防に繋がります。特に、焼きりんごはペクチンの効果を数倍に高めるとの報告もあります。つまり、アップルパイは大腸がんの予防になるわけです。
ところで、iPhoneのアップル社のロゴは“かじり掛けのりんご”です。日本人は皮を剝いて食べますが、欧米人はりんごの生かじりが普通です。先程説明したような栄養素がりんごの皮下に多く存在するため、表面をきれいに洗って皮ごと食べる方が賢明です。


日本最長寿の長野県とりんご
日本の男女の平均寿命は男女とも長野県が全国1位です。
長年の減塩運動や野菜の高摂取に加えて、私見ですが、りんご生産量と1人当たり消費量で青森県に次ぐ日本第2位が長寿の理由かもしれません。

カリフォルニア大学のブラックバーン教授は、寿命の鍵を握るといわれるテロメアとテロメラーゼ酵素の研究で2009年ノーベル医学・生理学賞を受賞されました。
ある日本人の長寿研究者によって長寿村で有名な長野県高山村でテロメアの疫学調査が行われました。
その結果、ランダムに抽出された24人中22人は全国平均よりテロメアが長いことが判明しましたが、その中でテロメアが最も長かったのはりんご園で働いている64歳の女性でした。

An apple a day keeps cancers away.(一日一個のりんごでがん知らず。)
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posted by 筒井豊春 at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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